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2022年08月21日

デザイン住宅をデザインで受注することによって始まる憂鬱

こんにちは。近藤です。
デザイン住宅と呼ばれる家づくりを展開し、現状経営状況が芳しくない会社が実はあります。数年前にデザイン住宅を取り入れ、外観力とデザイン性を強化。マーケティングにもセールスにも多大な影響をもたらし、確かに好反響・成約率も高くなりました。

 

設計コンセプトに欠けるデザイン住宅なら話は別ですが、最近のデザイン住宅は大抵そのデザイン性に裏打ちされた、効率的且つ根拠のある設計コンセプトがあります。
デザインテイストに対するコンセプトもありますが、それはあくまで“好み”の世界の話。
最近の、シンプルで住みやすくといったスタイリッシュなデザインには、決して設計者のエゴではない、住む人目線の暮らしストーリーが存在します。

 

しかし、デザイン住宅を「カッコいい」といった切り口でアピール・提案したりすると、お客様はそれを「買う」ということになります。

 

この会社、まるで高級外車を売るように顧客に提案し、デザイン住宅をデザインで売っていました。
つまり、デザイン依存での提案・契約をしていたということになります。
そうなるとお客様の要望もそれに応じた内容になります。
契約後の打ち合わせ・コーディネートも長くなりますし、中々決まらない状態に陥ります。

 

これは、顧客との折衝における信頼関係を設計コンセプトや考え方で構築できておらず、「デザイン性」で構築したからに他なりません。

 

そうなると上記の会社のように契約後の打ち合わせや、デザインが奇抜なので施工も手間と時間が掛かり過ぎてしまうといったことになります。

 

お客様が幸せに暮らし続けるための筋書きやストーリーがあり、それを追求した結果このデザインになるといった提案ができ、それをお客様も腹落ちしている状態で売ることができれば、デザイン住宅だとしてもしっかりと利益が残り、顧客満足も得られます。

 

これができればデザイン住宅ほどマーケやセールスに強力な武器になるものはありません。
是非その打ち出し方やセールスの仕方に注意し、表面的な提案でなく根拠を持った提案をすることが重要だと考えます。